『名探偵の奇跡』内収録、坂木司著『先生と僕』感想です。
名探偵シリーズと言っていいのかこれは? 同じような日本推理作家協会編のが数冊刊行されてます。なんか複数の作家さんの作品が寄り集まってるアンソロジー本?みたいな。たぶんカッパで出てる…筈。(曖昧かよ!)
『先生と僕』は12月に同タイトルで本の刊行が決定してるらしいです。買うかどうしようか迷うなぁー。
『ホリデーとホテルと僕』と、あと3冊買うと応募できる特製シールってのが激しく気になるんですが、さすがにハードカバー3冊は痛いです。懐事情的に!
感想書く前にもう1回立ち読んどこうと思ってたのに、いつの間にか本屋から消えて た…orz
記憶を頼りに書くので曖昧なのはご愛敬です。(笑)
12月刊行だから11月中に感想書こうと思ってたのになー。何故すぐに行動を起こせないのか…。
気を付けてますがネタバレしてる気配もします。(ぇ)
少しもネタがばれたくない人は読まない方が吉かと。
坂木さんと言えばひきこもり探偵で有名ですね。あれもすごく好きです!
坂木さんのミステリは凄惨な感じがないので軽く読めて安心する。
でも根底にあるのは殺人とかよりももっと根深いものもあったりして。誰にでも触れられる部分にそれこそごろごろしてるささやかな悪意…もしかしたらそれは悪意なんて事でもなく、ほんのちょっとした出来心かもしれない。
軽く、と言う表現はちょっとニュアンスが伝わり難いかなぁー。そして本当は、こういうのが1番安心してちゃいけないのかもな、とも思ったりします。
今回の『先生と僕』は、推理小説研究会に入ることになったこわがり屋の大学生と家庭教師を探していた秀才少年の話です。
主人公のワトスンは、伊藤二葉さんという大学生、18歳。極度のこわがり屋で押しに弱い受け身体質。なんか抜けてる所があるけど頭良い大学通ってます。
こわがり屋の為もちろんミステリ小説なんてほとんど読んだ事ないのに、友人からミス研に入れられてしまいます。しかしこわがり屋のくせに妄想癖があらしく。負の想像力がやけに豊かで、物事を悪い方へ悪い方へ考えてしまうらしい。(私の妄想癖とは方向性が違うなぁ)(当たり前だ)
でもちゃんとツッコミ要員らしく、地の文で素敵に切り込んでくれます。
そして特筆すべき特技を彼は持っていて。アレです、直感像記憶?でしたっけ? 建築探偵の蒼くんも持ってる、映像を完璧にコピーして記憶しちゃう技。二葉さんはどうもそれのお陰で大学受かったらしい。
(余談ですが、二葉さんはものごっそい私の中で雨格子の和さんと被ります。てゆか二葉さんのビジュアルが明らかにメガネなしの和さんになってしまっている!笑)
対するホームズ役は、瀬川隼人くんという13歳の中学生。落ち着いた喋り方、スマートな対応。倅のない仕草で、中学生にして紳士です。アイドル顔で頭が良くて、この年にしては達観した子。
ミステリ好きで、公園で乱歩を読んでた二葉さんにビビッときたらしい。
ビビビ婚は上手く行かないって聖子ちゃんの離婚で騒がれてたけど大丈夫!?(そもそも結婚じゃないから!)
「僕の時給高いよ?」、このセリフに噴いた! ちゅ、中学生だろうがお前ぇー! なんちゅーセリフを吐くんだ。口説いてんのか。(違う)
物語は、ミス研に入れられてしまった二葉さんが公園で友人の山田(♂)から渡された乱歩を読んでいる所に隼人くんが
ナンパ…もとい声を掛けた所から動き出します。
隼人くんが探していたのは、『秘密の契約』を交してくれる家庭教師。要は、成績は良くてこれ以上特別に学習環境を整えなくてもいいのだが、親の為に形だけ家庭教師をやってくれないか、と言う話です。
ナンパされてお茶に誘われ、隼人くんの紳士な態度に流される二葉さんが可愛いvv 結局あれよあれよと言う間に家庭教師をする事になります。巻き込まれ型!(笑)
それで参考書を買いがてら本屋に行った先で事件に遭遇する訳なんですが、その事件というのがなんだか考えさせられるもので。現代ってこんな感じだよなーなんて思ったりして。
ミステリとしてはとてもライト。
推理のロジックの組み立てなんかは付いて行けないって感じでもなく、同時進行でこうかなーこうかなーって予測できる程度。で、最後に隼人くんの種明かしで答え合わせって感じですかね。
私はミステリ読みながら一緒に推理とかしない人間なんですが、それでも検討が付くくらいの材料露出です。
私は本を大事にしない人を好きになれない。興味がないならそれで触れてくれなければいいのだけど、いらん手出しをしてないがしろにする人はぶっちゃけ嫌い。なので、この話の女子高生にも古本屋にも腹が立ったなぁ。特に古本屋! お前は本を愛していないのかと!!
まぁプリプリするのもアレなので、恒例のカップリング語りに移ります!(ニコ!)(前後の繋がり…?)
この話の見所はやっぱり(?)隼人くんと二葉さんの絡み!(爽やかな笑顔)
隼人くん×二葉さんですよ!! 中坊だけど攻めですよ隼人くんは! 大学生だけど受けですよ二葉さんは!
始終二葉さん可愛いなぁ~とにやにやしてしました。なにかなー、ほんと可愛いなぁこの人! 隼人くんにいつも押され気味で、でも考えてる事はしっかりしてるんだなー。価値観はちゃんと自分の中にあるんだ。押しに弱いだけで。(笑)
隼人くんは変な価値観が自分の中にあるようで。二葉さんもちょっと戸惑う事があるようです。犯罪に対する倫理観とか、そんな感じのもの。
隼人くんは現実に夢を見てるんだなーとなんとなく思いました。達観してはいるのだけど、それはミステリから得た、言うなれば探偵の捻くれた現実の姿を見ている言うか。現実的であって現実的でないもの。
隼人くんの言う事はきっと現実を表すのだろうけど、それを実感として彼が零しているかどうかはちょっと引っ掛かる感じ。
二葉さんはその辺を感じて、隼人くんと一緒にいろいろやっていろいろ世の中を教えて行ってあげたらいい。二葉さんから見る世界を、隼人くんに見せていってあげて欲しいなー。
隼二は、最初は互いに『変わった人』みたいな感じで接してて、徐々に惹かれ合って行くイメージです。
先に惹かれるのは二葉さんだけど、先に恋愛感情を自覚するのは隼人くんかな。だって二葉さんてばそっち方面鈍そう。(笑)
自分が中学生の時に出会ってたら憧れてた~みたいな事を実際二葉さん思ってたし、きっと脈アリだぞ!隼人くんガンバ!!
隼人くんはまぁ早熟そうに見えてでもまだ中学生になったばかりだし、
そっち方面@夜の知識はあんまりなくて、二葉さんに対する想いを自覚してからは1人コソーリと勉強してたりしたらいい。それこそ、そういう本を後ろの本棚に隠してればいいよ!(思春期ってイイネ!)
二葉さんの方は思いを自覚してからも、だって中学生だよダメダメ!って思って2人ともうだうだやってる時期があるといい。
くっ付く時はどっちかが不意にぽろっと想いを零しちゃったりとかのハプニング系でお願いします!(誰に)
で、隼人くんが「ちゃんと場所をセッティングして最高のシチュエーションでぼくから告白しようと思ってたのにー!!」って悔しがればいい。
夢見がち中学生最高!(それ、お前の妄想な!)
…あー、語ってたら発刊がまじで楽しみになってきた…! う、うわぁん! 図書館に予約か下手したら買う!!
そしてアレだ、これは『先生と僕』読んでからうだうだと語りたい気もするなぁ~。
本書を読んだらまた書きにくるかもしれません。新しい萌えもあるかもだしな!!(ウワァ)
