来年の箱根駅伝は父と一緒に見てみようかと思いました。
私は彼らの走る姿を『うつくしい』と思えるかなぁー。

三浦しをん著『風が強く吹いている』感想。
続きでどうぞ。例の如くカップリング語りがある　よ！（ニコ！）

爽やかな読後でした。
アオタケの住人に共感したりはらはらしたり。走る事を通して何かしら変わって行く面々がたいへん愛しかったです。
そしてそのきっかけを与えたのがハイジさん。この人は全ての支配者ですね！（笑）
おそらくこの作品はメインとして走が主人公なんだろうけど、アオタケの他の人々も主役と言って過言じゃないと思う。
箱根走ってる時のそれぞれの心境とか。それぞれ走る事に対して情熱を抱いてる様にはじんわり来るものがありました。
男の子がどつき合って騒いでるのが見てて微笑ましい。いいなぁ、って思う雰囲気。それぞれに個性があって、読んでて1番面白かったのは双子の部屋で定期的に開かれる宴会。皆可愛いよ！

そして、なんと言ってもハイジさんのキャラがいい！
強引なのに優しくて、控えめなのに自信満々な所が大好きです。惚れる。
騙す事に慣れて嘘が上手いのに、その嘘は綺麗で。走る事――ひいては走るものには真摯で素直。
おまけに料理上手だし。毎日ハイジさんのご飯食べてた皆が羨ましいぜ…！
意外に執念深い性格も素敵。箱根駅伝に懸けた情熱すごい。爽やかな嫌味とか最高。
「強権を発動する」の昂然としたハイジさんも素敵だけど、最後まで参戦拒否ってた王子と走に投降を呼び掛け続ける彼には、惚れるなと言う方が無理だ。（笑）
酢の物攻撃とか可愛すぎるよ…！　ささやかなのに確実なダメージだよ…！！
箱根でアンカー走るハイジさんに、走とまんま同じ心境になりました。走り止めても構わないのに、って。でもハイジさんの潔さは、その思考さえも押し留める。強い人。
結局は走れない足になってしまったようなのだけど、でもきっとハイジさんは引換えの大きなものを手に入れたんだろうなぁーと思う。
シード決定した後の、「頂点が見えたかい？」は男らしすぎて鼻血が出ます。いやほんと。


…なんかハイジさん語りになってて気持ち悪いんですが（ほんとにな！）、この先はカップリング語りになります。ますます片寄って行きます。

三浦しをんの描く、男同士の（濃い）友情とかが大好きです。
今までも三浦作品でヒットしたカップリングは多々ありますが、今回は走×ハイジさんで！！
もう…なんて言うか…2人が互いを認め合って大事にしてる様が…走が徐々にハイジさんに全幅の信頼を寄せていく様が…見てて照れた。
「ハイジさん！ハイジさん！」ってなっていく走が愛しい…！
他事の時は、他の人からせっつかれて訊いてみろとか言われて渋々承諾なのに、ハイジさんの脚の時だけ自分からって…なんだよばか！もえる！
区間新記録よりもハイジさん優先。形振り構ってない一途さが最高。葉菜ちゃんが好きとか嘘だろ走！
ホテルのベッドでハイジさんを押し倒しに掛かった走（別に嘘言ってないですよ！笑）とかも必死すぎて可愛かった…！
いつも飄々としたハイジさんが、時折走だけに見せる気弱な顔も良かった。
飲み会で怒鳴って倒れたハイジさんとか、箱根でゴールしたハイジさんとか、悉くハイジさんを抱き止める役を負った走に万歳三唱。
大学卒業後もハイジさんがコーチやるからという理由で新設チームに入るし。
相性いいん　で　す　ね　！！（くわっ！）
最後の焼肉祭り（？）の時なんか、「おかえり、走」「ただいま」だもんな！　新婚さんか！！（笑）
理想としてはハイジさん＞走の力関係で。つかハイジさんは余裕受（なにその造語！）だと思います。受のくせに言葉で走を攻めそうです。ぶるり
そしてアオタケの皆には公認だといいよ！


個人的に、この作品のテーマソングはラルクの『READY STEADY GO』です。歌詞がまんま走。
速さとかそういう次元じゃなく、いつでも走の先にいるハイジさんと、それを追いかける走とか！　2番の歌詞は、どんな事があっても走り止められない自分とか…。9区走ってた時の走の心境にピターリ。
最後の「PREASE TRUST ME」は9区走る前にハイジさんに電話掛けた時のアレ！　ハイジさんには、信じるとか言葉では言い表せないって言われてたけど！
読後に聴くとじんわりきます。